北アメリカの学校に子供が通うとき、親が知っておくべきこと5点

北アメリカと日本の学校の違い:子供の単独行動

異国の地で子供が現地の学校に通うとき、やはり色々と心配ですよね。

勝手がわからない上に、先生や他の親達ともまともにコミュニケーションがとれない。それが理由で、我が子に嫌な思いをさせてしまうのは、親としてはとても辛い!

今回は私の子供が北アメリカの現地校(オンタリオのトロント市)に通ってから知った、親が知っておいた方が良い情報をまとめてご紹介します。

学校に持ち込む食品は、アレルギー対策を徹底すべし

日本に比べて、子供のアレルギー症状がひどいケースの多い北アメリカ。

アレルギーのある食品をひとかけら食べただけで救急車で運ばれる!なんてこともあります。場合によっては、アレルギー源の食品がその場にあるだけで、空気感染して体調が悪くなるときも。

子供が利用する施設や教育機関などでは、特定の食品の持ち込みを禁止しています

特に「ピーナツ持ち込み禁止」は一般常識となっており、食品のパッケージに「ピーナッツ入ってません」のマークが付いてたり、逆に「ピーナッツが入ってるかもしれません」っと注意書きがしてあります

「ピーナッツが入ってません」マーク

北アメリカでは、多くの食品パッケージに「ピーナッツが入ってません」マークがついている

「ナッツ類が入っているかも知れません」と警告

少し読みにくいですが、「ALLERGY INFORMATION : MAY CONTAIN TREE NUTS」と注意書きしてあります。

学校の廊下には、アレルギーを持っている子供の詳細情報が掲示板に張り出してあります。アレルギーが出てしまった時に至急処方する「Epipen(エピペン)」というアレルギー用の注射も常備してあります。

学校のアレルギー生徒の情報

学校の廊下に貼ってあった、生徒のアレルギー情報

どんな食品に気をつければ良い?

アレルギー源になる食品は、わかりやすいものから、一見気づかないものまで色々とあります。

北アメリカの子供で、アレルギーがよくある食品類

  • ナッツ類(ピーナッツ、アーモンド、カシューナッツ、ナッツ類の油なども)
  • ごま(セサミ、ごま油など)
  • 乳製品(牛乳、クリーム、卵、チーズなど)
  • グルテン(パン、パスタ、小麦粉を使ったお菓子など)
  • 甲殻類(えび、カニなど)

ナッツ系の油は形が見えないので特定が困難。日本のふりかけに入っているゴマなんて、案外見逃しやすいですね。注意が必要です。

学校やクラスにアレルギーの子供がいる場合、先生から「◯◯は持ってこないでください」とのお達しがきます。

ちなみに我が子の場合、JK(幼稚園の年少さん)の時のクラスはグルテンがNG食品でした。北アメリカの学校では、自分の子供の誕生日近くに、クラスに誕生日ケーキを持って行ってお祝いして良いことになっているので、その時は、グルテンフリーのひよこ豆で作ったブラウニー風カップケーキをわざわざ作って持っていきました。

自分の子供に持たせたもので、万が一他人の命に関わる事態になってしまっては一大事。普段から学校に持ち込む食品には充分気をつけましょう。

北アメリカでは年に2度、先生にギフトを贈るべし

学校の先生への小さなギフト

これって賄賂?日本のお歳暮と同じ⁇初めてこの習慣を聞いた時、私は個人的にかなり驚きました。

北アメリカの学校では年に2度、子供がいつもお世話になっている先生方にギフトを贈ることになっています。

1つ目は、12月のクリスマスプレゼント。冬休みに入る直前の最後の登校日に渡します。2つ目は、学年末の6月に一年間の感謝の気持ちを込めて贈るプレゼント。夏休みに入る前の最後の登校日に渡します。

プレゼントの内容は人それぞれですが、だいたい金額として$20前後。スタバや酒屋さんなどのギフトカードが主流です。中には、子供が思いを込めて作ったカードを添える親もいます。

ギフトを渡す相手は、担任の先生はもちろんのこと。それ以外にも幼稚園でアシスタントの先生などがいる場合は、その分もちゃんと用意しましょう。気の利いた気前の良い家庭は、音楽や体育といった教科ごとの先生たちにもギフトをあげています。

そして、ギフトをあげた先生からは、後日郵送でサンキューカードが送られてきます。

ギフトをあげないからといって、先生から文句を言われたとか、先生の態度が変わったといった話は耳にしたことはありません。

でも、自分だけ知らなくて先生にプレゼントを渡さず、それが理由でのちのち何かあっても嫌ですよね。かなり現金な習慣ですが、学期末のシーズンには忘れないよう注意しましょう。

学校での親のボランティア活動が大事。積極的に参加できるとベター

北アメリカの学校の親のボランティア

日本の学校に比べ、何かと親の参加が求められる北アメリカの学校。様々な趣旨に対して親のボランティア募集がされます。

北アメリカの学校で盛んな、親のボランティア例:

  • 学校の遠足にアシスタントで付き添うボランティア:子供が4、5人がボランティアの親に割り振られ、その子供たちの面倒を見る役目。薄暗い水族館などで暴走する幼稚園児の集団を管理するのは、精神、及び体力的にかなり大変。
  • 理科の実験を楽しむ「サイエンスデー」のボランティア:親が各自割り振られた実験を披露します。子供の質問に答えたりもします。英語力がかなりないと、子供相手に科学の説明をするのは至難の技。
  • ランチタイムのお手伝いボランティア:私の子供が通う学校では、Hot Meal Program(ホットミールプログラム)なるものがあります。日本の給食の簡易バージョンです。朝9時から1時までの4時間、食事の調理、お皿洗い、配膳、片付けまでを手伝います。仕事並みにかなりハードです。
  • 学校の落し物の管理ボランティア:手袋、ジャケット、お弁当箱など、ありとあらゆるものが落し物としてたまる北アメリカの学校。山のような物を分類整理する役目です。もらい手がいなかったものは古着屋さんなどに寄付されます。
  • School Council(スクールカウンセル)への参加:日本でいうPTAのような集まりです。親が主体になって、様々な学校行事を企画運営します。また、学校で何か問題がある場合に、話し合って解決策を模索したりもします。スクールカウンセルが主体のイベントは、体育館を貸し切ったムービーナイトや、ダンスパーティー、Send Offと呼ばれる学年末に行われる大掛かりなイベントなど、多岐に渡ります。そしてイベントで集めたお金は大事な寄付金として、学校に必要な備品を買うなどの予算に回されます。
  • 各種学校行事の企画実行ボランティア:上記のスクールカウンセルで企画された学校行事のお手伝い。ポスターはりや、イベントの告知。イベント当日のベークセール(お菓子の販売)や、ピザなどの売り子。イベントの後には片付けボランティアもあります。
  • シラミチェックのアシスタントボランティア:これはかなりマニアックなボランティア。定期的に行われる子供の髪の毛のLice Check(シラミチェック)。これを円滑に行うために、各クラスに子供を呼びに行ったり、待っている間の子供を管理したりする役目。

下の写真は、夕方5時過ぎから行われたスクールカウンセルの様子。校長&副校長先生や、PTA会長などが出席しています。親は誰でも参加できます。ちょうど夕飯時だったためか、ピザやフルーツなどスナックを囲んでのカジュアルな会議。州の共通テストの結果と改善案、そして今年度の予算について、2時間近く話し込んでいました。

スクールカウンセルの集まり

夕方に行われたスクールカウンセルの集まり。

こちらの写真は、学校にあるこじんまりとしたキッチンルーム。通称、Breakfast Roomと呼ばれており、朝ごはんを食べたい子供が利用する施設になっています。ここを使って、ホットミールプログラムで出される料理が調理されます。

学校のキッチンの入り口

学校のキッチンの入り口。中に大型のオーブンとシンクがある。日本みたいにあまり広くない。

こちらは、学校の廊下に設置されている「Lost and Found(落し物入れ)」の様子。ちょうど整理された直後だったようで、今回は全然落し物が溢れていません。

北アメリカの学校の落し物入れ

北アメリカの学校の落し物入れ

自分の子供が通う学校に、何かしらの形で貢献できるのは、大変やりがいがあります。子供も、親がクラスに来てくれるだけでとってもはしゃいだり。

ぶっちゃけ、校長先生をはじめ、先生たちと接する機会を増やしておけば、何か我が子に問題があった時でも相談にのってもらいやすいもの。あわよくば何かしら特別に対処をしてもらったり…なんて下心もないとは断定できません。

子供の成長は早いもの。親を慕ってくれる時期もあっという間です。その間に子供と一緒に、思い出に残る学校活動ができると良いですね。

新年度のクラス替えの際、学校にリクエストを提出するべし

学校に提出するリクエストレター

日本の学校で私が覚えている限り、クラス替えの際に先生や友達のリクエストを学校にするという考えはなかったと記憶しています。

ここ北アメリカでは、やはり「言ったもん勝ち!」

仲の良い友達の◯◯ちゃんと同じクラスにして欲しい。逆に、一緒にいると問題の大きいXXくんとはできればクラスを分けて欲しい、なんてことが堂々とリクエストできます。

先生の希望や、Split Class(スプリットクラス。人数調整のために2学年が一緒になったもの)にして欲しいか、して欲しくないかなども、リクエスト対象になります。

このリクエストは、簡単な1ページ程度の手紙にまとめて、校長先生に渡します。

みんながみんな提出しているわけではないし、また提出したからと言ってリクエスト通りにしてくれるわけではありません。ただ、クラス編成の際に参考にはしてくれる模様です。

クラス替えのリクエストを書く際のポイント

  • 「自分の子供はこう言った問題/特徴があるので、それにうまく対応できる先生にして欲しい。」というように、納得のいく理由をのべること
  • スプリットクラスの有無の希望も、自分の子供の性格的にどちらがあっているかといった理由を述べること。
  • 学校側も、仲の良い子供達はなるべく同じクラスに割り振るのが方針の模様。なので、同じクラスにして欲しい友達を神経質にリストアップする必要はない。
  • 先生との個人面談の際に、口頭で次年度のクラス希望などを伝えるのも、カジュアルで良い方法。

先生や友達の影響を受けやすい、成長期の子供。楽しく過ごしやすい学校環境に、少しでも近づけてあげられると良いですね。

北アメリカでは何事も交渉次第。学校と色々話し合うべし

学校との交渉

何事も交渉次第だったりする北アメリカ。特別な配慮をして欲しい場合など、まずは学校に相談してみるのが良いでしょう。

例えば、

  • 長期で学校を休む場合:日本に一時帰国だったりと、長期で欠席する場合
  • 学区外へ越境入学したい場合:学区の学校の評判が良くない、もしくは遠すぎる、などの理由で学区外の学校に通わせたい場合
  • 定期的に学校を休む場合:週1で休ませて日本語のプログラムに参加させたりする場合(主に義務教育ではない幼稚園で希望する親がいる)

詳細は「北アメリカの学校は交渉次第だったりする事も」に載せています。興味のある方はチェックしてみてください。

北アメリカの学校は、交渉次第だったりすることも

様々な事情を抱えた家庭が混在する北アメリカ。何事も話し合いコミュニケーションを積極的に取るのが大切ですね。

日本と北アメリカの学校の違い:知っておきたい情報のまとめ

知っておくといい北アメリカの学校情報5点、いかがでしたでしょうか?

今回ご紹介した以外にも、色々な裏技や知っておくとよいことなど、まだまだ沢山あると思います。周りの親や学校関係者と、挨拶をしたり、ちょくちょく世間話をするなどして、積極的に情報を入手できると良いですね。

また地域や学校によって、ご紹介した内容とはかなり違ったりすることもあると思います。が、何かしら参考にしていただけると、嬉しい限りです。

さらに、こちらの記事「日本と北アメリカの学校の違い&裏事情、ちょっとびっくり10選」では、日本と違う、北アメリカの学校の特徴を紹介しました。

日本と北アメリカの学校の違い&裏事情、ちょっとびっくり10選

もし良ければ、合わせて読んでみてください。

ご愛読ありがとうございました。