海外と日本の職場の違い7つ*海外4都市で現地就職した体験談

海外就職の現状。海外での仕事探し

「日本での仕事にはもう辟易、一度の人生思いっきり生きたい!」と思いませんか?残業や週末出勤が当たり前の毎日。転職しようにもブラック企業がわんさか溢れかえる現状。通勤ラッシュにももう限界。人生こんなはずではなかった、と。

私は海外の4都市で現地企業での仕事を経験してきました。日本でも純日系から外資など、様々な仕事を転々としました。ぶっちゃけ、ライフワークバランスは海外の方が格段に上を行くと思います。海外で仕事をするにはそれなりの苦労やストレスもありますが、それ以上に充実した仕事ライフを、私は送ってきました

人それぞれ、自分にあったライフワークバランスや働き方があるでしょう。それが、仕事内容に満足すれば解決する問題なのか。それとも仕事環境が大事なのか。

どちらも大事なんてのが本音でしょうが、中には大変な仕事内容&環境でも毎日元気に出勤している強靭な方も多くいます。家庭やお金の関係で「そんな甘いことなんて言ってられない。」なんていう大きな責任を抱えた方々も多数だと思います。

ここでは敢えて、リスクを取りながらも、自分が満足する環境を探し求めて海外現地就職を考えている方に向け、情報発信したいと思います

仕事を転々とした経緯

自分の話ばかりになってしまい恐縮ですが、私の職歴について語らせていただきたいと思います。

新卒入社で即退社し、海外を転々とした時期

まずはじめに、私の転々としていた2−30代の仕事の経過をざっくりお話ししたいと思います。

私は大学を卒業してから一瞬、新卒で日本の企業に勤めました。純日本の日系企業です。

上司がまだいるから、就業時間後も、何も仕事がなくてもその場にいないといけない。残業代が出るから夜中まで居残る同僚。言いたいことは言ってはいけない雰囲気。やはり性に合いませんでした。

大学生で就活するとき自己分析なんていっぱいしますよね。でも、あれって自分の狭い世界で、自分の知っている知識だけを総動員して考えるもの。学生時代の自分に「私は日系企業には向いていない」なんていう考えすら及びませんでした。

その新卒で入った会社は数ヶ月という速さで退社し、次のステップを見つけるまで派遣生活。そして一年も経たずして海外を転々とする様になりました。転々と住んだ国は、アメリカ(ワシントンDC、ニューヨーク)、フランス(パリ)。ワーホリでちょこっとオーストラリア(ブリスベン)にも滞在しました。それぞれの国では、ウエブのプログラミング系の仕事や事務系の仕事につきました。

  • ワシントンDC(アメリカ合衆国):国際機関のインターンで事務系の仕事、国際ボランティア
  • パリ(フランス):日本食レストランのウェートレス、現地のウエブデザイン会社のプログラマー見習い
  • ニューヨーク(アメリカ合衆国):ウエブ系のフリーランス(今で言う「ノマド生活」ですかね)

ですが、世界をさまよううちに、年も20後半になりました。慌てて、日本でちょっと腰を据えて仕事をしようと思い、日本で再就職、サラリーマン生活というルートを辿りました。

日本でのサラリーマン生活時代

一度海外での仕事環境を体験してしまうと、日本でのサラリーマン生活の色々なことがギャップとして感じられます。それを何とか工夫して仕事生活を快適にしようと試みてみました。

会社から徒歩圏内に引越しまでして、自転車通勤にしたら、5月に「サーファーの方ですか?」って聞かれる程に日焼けしてしまったり。日中は猛速急で仕事をこなして、5時近くになったら誰とも顔を合わせず、「私は残業受け付けません!」オーラを出してみたり。

なるべくライフワークバランスの良い仕事、印象の良い企業を探し求めて、転職を繰り返した末。終いには「あなたの様に仕事をコロコロ変える人には、どの企業も興味はありませんよ。」と末期宣告を受けました。ごもっともな診断です。

カナダでのサラリーマン生活時代

そんな沸々としたアラサー時代に、一念発起してトロントに移住することになりました。

トロントでデザイン会社にてウエブサイトの更新や、広告代理店でウエブサイトの制作に携わる仕事をしました。人生で初めて、腰を落ち着けて仕事をした時期に当たると思います。

現地の人に囲まれて、楽しく自由に働き。時には、自己主張が上手にできずに悔しい思いをしたり。ですが、総じて考えると、とても充実した時期だったと振り返って思います。

海外での職場環境。実体験

では、実際に海外のオフィス事情はどうなものでしょうか?私の経験をもとに特徴をご説明したいと思います。

上司の名前の呼び方

まずはじめに、カルチャーショックなのは、同僚や上司との距離感の違い。日本ではだいたい苗字に役職をつけて呼びますよね?佐々木部長、山本社長などです。これは北米やヨーロッパの現地の会社ではありません。通常はファーストネームの呼び捨てです。会社の社長さんでも、私の働いていた会社ではファーストネームで呼ばれていました。

取引先や社外の人もファーストネームの呼び捨てでした。これは業種や立場によっては違うかもしれませんが。

名前の呼び方に始まり、ちょこっと隙間時間やカフェテリアであったり、廊下であったりした場合も、「How are you? (やぁ元気)」と挨拶を交わしたり、時間があれば週末何したかとか、天気がどうだとか軽く立ち話も同僚とします。

会社のイベントが多い。会社が社員交流を積極的に支援

名前の呼び方や世間話など、友達感覚で同僚と接する。これに加え、企業も社員同士が仲良くなる機会を積極的に設けています

毎月のようにボーリング大会、バーベキューパーティーがあったり、金曜の定時上がりには会社のカフェテリアで毎週飲み会があったりしました。季節のイベントも力を入れています。こちらの会社のクリスマスパーティーは、大体がパートナー同伴で、着飾って、豪華な食事を食べたり、踊ったりなどのイベントがあります。

カナダの広告代理店では、他の部署の知らない人達10数名とマッチングされ、毎月会社持ちでランチに出かけるシステムがありました。日本でもグーグルなどで取り入れているシステムだと聞いたことがあります。

かしこまった上下関係より、フラットな友達感覚で仲良く仕事ができる関係、これが私が働いてきた海外の企業の風土でした

残業は基本なし

今までの海外の会社では、私も含めほぼ全員定時近くで仕事を上がっていました。もちろん忙しい時期や予期せぬ事態が発生した時などは、夜遅くまで残業などもあります。定時近くにどっさりと作業をお願いされたことも何回かあります。

ですが、絶対残業しないといけない、なんていう暗黙のプレッシャーは皆無です。大体みんな5時半〜6時頃にはそそくさとオフィスを後にしていました

就業時間中に遊んでいる姿もちらほら

職場にもよりますが、日本のオフィスに比べると、大体みんなリラックスして仕事に当たっているように見えます。

勤務時間中のおしゃべりも当たり前。逆に私は上司に「仕事ばかりするのではなく、もう少し同僚とおしゃべりするなどの交流する時間をとるように」と注意されたことがあります。ちょうど同時期に日本の会社で働く妹が「勤務時間中におしゃべりしないこと!」と怒られたと言っていたのが、まさに正反対で笑ってしまいました。

遊ぶのにも度がありますよね。日本人の私が度肝を抜かれたのは、仕事時間中に堂々とコンピューターで何かの番組を視聴していること。今までに数度目撃しました。しかもケラケラ音を立てて笑ったりしていることもあります。カナダ人の友達にこの話をしたところ「ちゃんと仕事をしているのなら別に良いんじゃない?」との返事でした。私には驚きです。これは最近の日本の職場でもあることなのでしょうか?

またフズボールという、テーブルサイズのサッカーゲームが置いてあるオフィスに勤務していた時。ランチ後に、社員数名がよくそのゲームでわいわい騒いでいました。長い時には数時間も遊んでいる時があります。もう「先生!〇〇くんが遊んでまーす」って学級委員のごとくチクりたくなる気分でした。

会社の手当も充実

ライフワークバランスを保つために、国の保証もしっかりしています。カナダでは子供が生まれてから1年間はマタニティーリーブ(もしくはペアレンタルリーブ)という休暇が取れます。年収に対して一定の金額を国から支給されます。そして、休暇後に復職する場合、企業はその社員の地位を保証する義務があります。

病気での欠勤も比較的簡単に取れます。企業によっては病気など私情での欠勤が無制限に取れるなんてところもあったり。また無給でサバティカルリーブという休みを取って、長期旅行に出かけた同僚もいます。

もちろん、数週間の休みなども、事前にスケジュールの都合をつけておけば、普通は取れます。日本の企業の様に、一気に休まれては困るなんてことは言われません。移民の多いカナダですので、数週間の休みを取って母国に帰る同僚もちらほらいました。

なめられるな!社員同士のポリティクスや生き残りへの激しい戦い

海外の職場では同僚とも友達関係。勤務中も遊んでたり、休みも取りやすかったり。とゆるーい職場環境をここまでお話ししてきました。ですが、そんな表面上ゆるーい中に、実は激しい戦いがあったりします。

日本でも社内での派閥やグループなどがあるでしょうが、私が働いてきた会社でも多々ありました。

身長も低く童顔で、ヘラヘラしている日本人の私。おとなしく言いくるめられると思われたのでしょう。他人のミスの責任を押し付けられたり、私のせいにされたりしたこともありました。その時は「なんで?!」って思ってしまいます。友達みたいに仲良くしてても、安心できない同僚なんてのもいるので注意がいります。

また、急な首切り、レイオフの通告。映画に出てきそうですね。これは映画だけでなく実際にいっぱいあります。「なんでか本当にわけわからない?!」っと当人達が言っているのを聞いたことがあります。いくら仲良くわいわいしていても、仕事は仕事。雇えなくなったり、いらなくなったら即ポイも多くあるのが海外企業の実情です。

自己主張やアピールの必要性

「沈黙は金なり」とも言いますが、基本的に海外の企業ではこれは通用しません。自分の思っていることや、考えていることを発言してこそ一目置いてもらえます。また、自分の仕事の成果や、会社への提案など、積極的に上司と話してアピールするのも大切な事です。

普段はろくに仕事もせず遊んでいる様に見える同僚が、実は上司にはバッチリ仕事をしていて、信頼できると評価され、昇進されたケースを見てきました。「謙虚が美徳」なんて考えは理解してもらえません。仕事をしっかりすることはもちろんのこと、その上で、出しゃばってでも「私。私!私はこんなに素晴らしいの!」と積極的にアピールして目立つ必要があります。

海外の企業で働くのに必要な条件5つ

海外企業のカルチャーについてお話ししましたが、では実際はどんなスキルや資格があると、海外での仕事探しに役立つでしょうか?5点ほど説明していきます。

ビザなどの滞在資格

これは基本中の基本です。ひと昔前は、企業がスポンサーになって就労ビザを発給してくれるケースも多くあった様です。が、テロ対策で法規制が厳しくなり、他国の人が就労ビザを取得するのが大変難しくなりました。その国ごとに細かい事情は違うでしょうが、しっかりリサーチしておきたい点です。

30歳以下(国によっては35歳)の若者を対象にしたワーキングホリデービザでしたら、比較的簡単にビザの取得は簡単です。私もフランス、オーストラリア、カナダとワーホリビザを取得しました。このビザがあれば、とりあえず渡航し、仕事探しができます。カフェの店員などの仕事でしたらワーホリビザでも簡単に見つかるでしょう。ですが、がっちりしたオフィスワークを探す場合は厳しいでしょう。それはビザの有効期限が1年程度と短期間なのが理由です。このワーホリ一年間のうちに、次の就職につながる何かの足がかりを見つけられるくらいの心持ちが良いかもしれません。

ビザの中で一番取得しやすく確実なのは、なんといっても配偶者ビザなどの結婚や同棲を元にしたビザでしょう。ですがこればかりは海外就職するために取得わけにはいきませんね。もし状況的に配偶者ビザをお持ちでしたら、最大難関を軽くパスできてラッキーです。

その他、各種変わったビザもあります。

例えば、私はフランスのデザインオフィスで働いていた時に、研修ビザなるものを取得しました。当時は取得方法も本当に簡単で、就業先の企業が、国の担当窓口に書類を数点提出するだけで取得できました。ですが、条件としてお給料がSMICという最低賃金に制限されてしまいます。それだけでは到底生活をしていくのは無理です。

他には、学生ビザを取得し、ビザで制限された時間内で仕事をしている方々にもお会いしたことがあります。ですが、パート的な位置付けで、がっちり仕事をするのは難しいでしょう。卒業してから、一年間ほど仕事探しのために短期就労ビザを発給される場合もある様です。

レアケースですが、国際機関でインターンをした時は、雇い主に当たる機関が直接ビザを発給してくれました。これもひと昔前の話になるので現状はわかりませんが、提出書類も本当に少なく、あっけないほど最速で簡単にビザが取得できて驚きました。

どんなビザがあって、どんな取得条件なのか、それもよく法律で改正されますので、その都度じっくり調べましょう。

何を置いても語学力

これは絶対必要不可欠な条件です。現地の言葉で、不自由なく他の社員とコミュニケーションが取れる必要があります。ミーティングで自分の意見を求められたり、専門用語を使って現状を報告したりする場面もあります。

また、さらに高いレベルでの語学力があると、社外の取引先やお客さんとのやりとりも気兼ねなくスムーズにできるので、仕事の幅が広まるでしょう。

上記の通りコミュニケーションが取れる語学力は必要ですが、案外、文法上の間違えや発音の特有さは、大目に見てもらえます。移民の多い社会ですので、周りも慣れている様です。ネイティブと同様な発音で完璧に会話ができる必要はありません。

専門的なスキルや経験、手に職がおすすめ!

手に職がある!と海外就職では大変有利です。特に、資格や言語の影響を受けないスキルは強いです。私的にプログラミングがオススメですが、他にも料理人で海外に住まわれている方にも、ちらほらお会いします。

逆に、看護師や弁護士、会計士、学校の先生など、国家の認める資格を基準にした仕事は厳しい。母国ではその様な専門職についていたけれど、母国を離れて再就職するために、資格を取り直さないといけないケースがほとんどです。その際は、テストや面接などを繰り返したり、大金を払って学校に何年も通わないと再就職できなかったりします。

グラフィックデザイナーも、手に職と言えるかもしれません。ですが、その国の文化や言語とデザインは深く関わっています。プログラミングに比べると適応性には多少劣るでしょう。ですが特別な資格などを必要としない点は、プログラミングと同様。素晴らしいポートフォリオがあると、職探しの際に有利でしょう。

事務や営業職でしたら、語学力と運があれば仕事が見つかるかもしれません。ただ、一般事務職の場合、他国から来たばかりの不慣れな人を雇うより、現地の人を雇う方が、企業にとってもスムーズですよね。就職先は日系企業などに限られてしまうかもしれません。現に私の周りにいる、こちらに移民した日本人の方のほとんどは、日系企業に就職しています。

オフィスでの仕事にとらわれない場合でしたら、カフェやお店の店員など、比較的簡単に仕事がみつかる様です。土日や夜などのシフトにも対応できて、ともかく現地で仕事をしてみたい場合には手っ取り早い方法でしょう。

コネ?!意外と最重要

海外企業での仕事探しの場合、コネが大変重要です。こちらではまず社員や知り合いに、誰か適任者がいないか探すします。それで見つからなかった場合に、エージェントや広告などを出して探すながれです。

日本ではコネ入社ってずるい、不正をしているような感じがある様に思います。が、こちらでは知っている人から探すのが通常です。その方が、信頼できる人を厳選して採用できるからでしょうか。

また、リンクトイン(linkdin.com)などのキャリア系のソーシャルサイトを通して、スカウトのメールが来る場合もあります。海外での仕事探しの際には、とりあえず登録しておきましょう。

根拠のない自信

面接などで自分の意見を求められた時、はっきりと自己主張できますか?他人の意見に面と向かって「私はそう思いません」っと言えますか?

私はかなり苦手です。ですが、日本人的なやんわかなコミュニケーションは取れません。「自分はこう思う、これはこうだ」っと明るくポジティブに主張できると、周りも一目置いてくれる様です。相手企業にも好印象を与えられます。

語学の面や慣れない面接で緊張したり、色々と心配もあるかもしれませんが、堂々としていましょう。

まとめ

日本と海外の職場環境の差、仕事探しの現状、皆さんはどう思われましたか?私と違う経験をされた方もいるかもしれませんが、参考になればと思い書き進めてきました。