「今度こそ英語を話せるようになるぞっ!」と意気込み、試しては挫折する…多くの日本人がこんな繰り返しを経験しています。
教育制度やインフラが整った日本。努力家&勤勉な日本人。なのに、なぜこれほどまでに英語に対し苦手意識があるのでしょうか?
日本人の英語に対する苦手意識はどうやって改善できるか。掘り下げて考えていきます。
Table of Contents
日本人が英語が苦手だと感じる理由5つ
日本人が英語が苦手だと感じる理由は根深い。
運命的にどうしても変えられないことから、少し視点を変えれば改善できることまで。ズバリ5つの要因があります。
順番にみていきます。
理由その1:英語と日本語は全く違う言語


最初にあげられるのが、「英語と日本語の言語の違い」
悲しいことに、私たち日本人にはどうすることもできない最大の要因です。
日本語はひらがなや漢字を使う。会話も抑揚リズムがあまりなく平坦に話す。
一方、フランス語。英語と同じアルファベットを使う。英語と大変似通った単語が山ほどある。文の組み立て方も英語とほぼ同じ。
この言語間の差を下に比較しました。
<英語/日本語/フランス語間の単語の違い>
英語 | フランス語 | 日本語 | |
名詞 | education | éducation | 教育 |
形容詞 | immediately | immédiatement | すぐに |
動詞 | change | changer | 変える |
<文法の違い比較例>
英語: We have to change the education system immediately!
(主語+動詞+目的語+形容詞)
フランス語: Nous devons changer le système d’éducation immédiatement!
(主語+動詞+目的語+形容詞)
日本語: (私たちは)教育制度をすぐに変えなければなりません!
(主語+目的語+形容詞+動詞)
並べてみると、言語間での違いが歴然。スタート時点でのこの差は非常に大きい。
例えて言うなら、カエルとねずみが同時に水泳を習うってくらい違う!


まずは日本語と英語の歴然とした差を認識する。
「こんなに違う言葉なら、なかなか思うように上達しなくてもしかたない」っと現実を受け入れる。すると、精神的にも楽になり、英語の習得が楽しくなります。
気楽に、楽しく行きましょう♫
理由その2:日本の英語教育、義務教育のあり方
2つ目の理由は、日本の学校での英語の授業、義務教育の方針、さらには大学入試を一大ゴールとした教育制度のあり方です。
教科書の英語をひたすら日本語に訳す。眠気でまぶたが鉛のように重くなるのを必死にこらえる。
期末テストでは、難しい英文の訳を質問され「そんなのわからねーよ」となぐり書きたくなる。そんな退屈で受け身な授業では、英語は一向に上達しません。


日本の義務教育では、英語の授業に限らず、自分の意見を積極的に発言する機会が極めて少ないのも要因です。
先生の言うことを必死でノートに書き写し、覚え、テストで出力する。この長年の退屈な訓練の結果…
- 英語は勉強するもの、というマインドセットが出来上がる
- 英語を見ると、すぐ日本語に訳して理解しようとする悪い習慣が身につく
- 自分の考えより「他人の考えをコピー→出力する」という思考回路が身につく
- 生きた英語に大切な、会話やリスニングなどの能力はほとんど開発されない
という状況に陥ります。真面目で勤勉な日本人にとって、またとない不幸。
日本で義務教育を受けた人には、今更どうすることもできないトラウマ体験です。
が、「過去のトラウマを受け入れ、悲しみを認識して初めて、物事を新しい角度から見れる」と巷の心理カウンセラーは口を揃えておっしゃります。
一刻も早く、間違った勉強法や思考回路の癖を認識しましょう。英語とは本来、人とコミュニケーションをとるためのツールです。
こちらに、英語の勉強に対する考え方について詳しく書いた記事を用意しました。興味のある方はご覧ください。
【英会話上達】短期間でペラペラ3ステップ勉強法!英語はスポーツ
理由その3:「出る釘は打たれる」日本の閉鎖的な文化背景
日本的な環境では自己主張しない方がベター。学校や会社で「いえ、私はそれは違うと思います!」と胸を張って言えません。
なるべく周りとの空気を乱さず、無難に偉い人や大多数の意見に従うのが得策。
「空気を読む」、「あうんの呼吸」のように、話をせずに相手の意図を汲み取ることが美徳とも考えられています。
お互いが納得するまで説明と質問を繰り返し、理解するという風習があまりない。多くを語らないことが、さも良いことのように考えられている。
もともと自己主張をすること自体が、日本人にとっては難しい。
これは、自己表現をするツールである語学を習得する際、大きな足かせになります。


日本の「右へならへ」な風潮の中、一人ネイティブの発音を真似して
「イックスキューズミ〜」
と言ってしまった日には、周りから「あの人なんなの?ルー大柴??」と疑われること間違いなしです。
日本人の中では、Excuse meはあえて「えくすきゅーずみー」でなければならないのです。
気恥ずかしさも含んだ、日本人同士の縛りも、英語が上達する際の妨げになっています。
ではどうするべきでしょうか?
一番良いのは、アメリカの田舎町に送還され、日本人、いやアジア人が誰もいないような環境に一人放り込まれること。


手厳しいネイティブの先生にひたすら「Cindrellaは、しんでれら、じゃなくて、シィンドゥレーラ」としつこくRとLの発音を叩き込まれ。
スーパーのレジでは、ジャガイモを1袋買ったのに、なぜかいちごの値段で計算されて「$50、プリ〜ズ」とありえない額を請求され。
ホームステー先のママには「で、あなたはどう思うの?イエスなの、ノーなの、ハァー!!黙ってちゃ何もわからないじゃない」っと怒られ…
カルチャーショック山盛りの一大サバイバルに身を投じるのがベストでしょう。
生死に関わる状況に追い込まれれば、誰でも英語が上達します。
ですが、こういった貴重な環境に身を置ける機会は、滅多にめぐってきません。
次策として、なるべくカルチャーショックが経験できる環境に身を投じるのが良いです。
例えば、日本人複数で英語の授業を受けるのをやめ、厳しい英語ネイティブの先生に個人授業をお願いする。
外国人と友達になって、自分の思っていることを表現する努力をする。
【英語習得】日本で外国人友達を100人以上作る方法
文化の違いとは、自分の目で見て、肌で感じて初めて腑に落ちるもの。なので一刻も早く、このストレスフルな冒険への第一歩を踏み出しましょう。
理由その4:日本では英語を話す必要がない
上の理由3では英語サバイバルをお勧めをしました。が、みずから進んで辛い状況に身を投じることは、なかなか常人には難しい。
今の日本では、英語が苦手でも、大して困ることはない。英語ができればちょっと得する程度です。転職に有利、周りに自慢できるくらいです。
「英語が話せる」というスキルと引き換えに、膨大な時間、エネルギー、体力、お金を投入するだけのモチベーションがありません。
英語が話せようになりたい << 遊びたい、眠たい、疲れた、お金がもったいない
ここ、よく聞いてください!二重線です。
英語ができるようになることで、自分が心の底からとても欲しいと思っているものが手に入る場合、誰もが目の色を変えて英語を習得します。
例えば、どーしても金髪美女と結婚したくて、それ以外には考えられない!
自分は何があっても、いつの日か、ニューヨークに絶対移住する!
英語が話せるようになって、外国人の彼女が欲しい > 遊びたい、眠たい、疲れた、お金がもったいない
理由は大それたものでなくても大丈夫です。
もう一度胸に手を当てて、自分の心に聞いてみましょう。「私はなぜ英語ができるようになりたいんだろう?」と。
その答えにピンとくるものがなければ、英語の習得は一度すっぱりと忘れましょう。
惰性でなんとなく続けたり、いやいやながら頑張るのは、人生の無駄遣いです。その時が来たら再開すれば良いのです。
英語を習得したい理由がはっきりすれば、自然にぐんぐん英語が上達します。
理由その5:日本人の恥ずかしがり屋?考えすぎな性格


最後の理由に、シャイ?考えすぎ??な日本人の一般的な性格をあげておきます。
一般的に日本人は英語を話すとき、色々と考えすぎる傾向があります。
使わなくてはいけない文法をあれこれ考えたり、正解を意識しすぎたり、失敗したらどうしようかと思い悩んだり。
相手の気持ちを損ねるのではないかと不安になったり。これでは、頭が忙しくて英語どころではありません!
以前私が、オンラインで発音矯正を習っていた、カナダ人のベテラン英語教師曰く。
「語学学校に英語を教えにいくと、だいたいいつも、ラテン系のイタリア人とかスペイン人が一番前の席に陣取ってるんだよね。そして、日本人や韓国人などの控えめなアジア系の生徒はいつも教室の後ろの席。授業を始めても、ひっきりなしに質問をて、聞かれてもないのに発言をするのは最前列のラテン系。そういう活発な生徒は、ほっといてもどんどん英語が上達するんだよね。」
とのこと。
長い年月をかけて培われた性格を変えるのは難しいものです。
でもここはひとつ、多重人格者になったつもりで、英語を話す時だけは、陽気なラティーノのノリで取り組んでみるのも手かもしれません。


まとめ:日本人が英語が苦手な理由と対策
日本人の英語の苦手意識を考えることで、逆にそこから、どうすれば英語が上達するか見えてきましたか?
- 英語は日本語と全く違う言葉なので「なかなか思うように上達しなくてもしかたない」と腹をくくる
- これまで真面目に英語を『勉強』してきた。これからは英語をスポーツみたいに練習に励もうと考えを改める
- 脱「出る杭は打たれる」。「自己主張、命」なカルチャーショックを体験できる環境に身を置く
- なぜ自分は英語ができるようになりたいのだろう?っと深ーく自分を見つめ直す
- 難しくあれこれ考えず、陽気なラティーノになったつもりで英語に挑む
以上が日本人の英語が上達する5か条です。
ちょっと激しい自論ですが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。