絶対うまくいく夫婦のお金管理方法

夫婦のお金の管理方法

夫婦でのお金の管理はすごく奥の深いテーマでしょう。違う家庭で生まれ育った2人が、一緒にお金を管理し共同生活をして、家庭を築いていくのですから。

共働きか否か、専業主婦か。子供の数、親の同居など、様々な要素が関わり合ってきます。

加えて私の場合、日本とカナダでの価値観の違いや、税金や年金など国に収めるお金の違いもあるので複雑です。

が、結婚の際に2人で話し合って、喧嘩も沢山して決めた、夫婦のお金の管理方法「明朗会計システム」を採用して以来、今でも大変スムーズに家計を営んでいます。

今回は、皆さんに参考にしてもらいたい、明朗会計な家計の営み方をご紹介したいと思います。

明朗会計なお金管理システムに行き着くまでの経緯

私のお金の管理の背景

私は日本でのサラリーマン生活を辞めて、カナダにワーキングホリデービザで渡航しました。

現地のデザイン会社で仕事が見つかったのは嬉しい事でしたが、お給料は日本の新卒並み。日本でサラリーマンしていた時のお給料と比べると、歴然とした差がありました

こんな背景があり、お金についてある事に気づきました。それは、「収入が減ると、いくら支出を減らす努力をしても、貯蓄に回せるお金が減る」という事実。

例えば、月40万円の収入があったのが、20万円に減った場合。支出を頑張って20万円から10万円に減らしても、手元に残るのが20万円から10万円に減ります。

本当に当たり前のことなのですが、じっくり机に座って紙と鉛筆をもって考えるまで気づいてませんでした。(かなり抜けてますよね。トホホ)

しかも、支出を半分に減らすって結構シンドイ。当時は携帯代もケチって、テキストや電話を極力使わず。洋服も同じものを着回し、外食もなし。今思うと、慎ましやかな断捨離な生活を送ってました。

ミニマリズムちっくで流行の先取り!と言いたいところですが、断捨離やミニマリズムって、お金や物に余裕がある人がするから優雅な事。貧乏人がしたのでは、ただのキツキツで虚しいだけの生活です

「マイナス2〜30度な日もある寒いカナダに来て、家族友達にも会えなくて、しかもお金も貯まらない。これって私かなり譲歩してるよね!」というのが、やさぐれた私の言い分でした。

私の旦那の背景

一方、うちの旦那は、ずっとフリーランスで仕事をしており、月によって収入が激しく上下します。また、収入の中から、仕事の経費や投資にかかるお金も捻出しないといけません。

細かい事に気がきく(というか、こだわる?)性格上、お金の管理も細かい。また、自分でビジネスをしているので、毎年春の税金の申告は一大イベントになっています。

お金の管理に対しても、日本の古き良き(?)思考「夫は外で仕事してお金を持ち帰ってくる。妻が家計をやりくりし家庭を円滑に回す」という考え方は、全くもって一切ありません。それよりは、どちらかお金の管理が得意な方がするべきだ、と思っています。

あと、もう一つ日本と違う点は、北米では、成人して親と同居するのは普通はあまりないことです。そう言う人たちは「Loser(負け犬)」と言われます。おでこの前で親指と人差し指でL字を作るジェスチャーをご存知の方もいるかと思います。

日本のように、親の面倒を見るため、生活費を浮かすためという考えはあまり浸透していません。なので、一人暮らしに慣れ、なんとか家事全般がそれなりのレベルでできるのが、こちらの男性の基準なようです。これも、仕事と家庭、稼ぎ頭と家計の役割をはっきり分けるスタイルとは相反する要素になります。

まとめると、夫は「自分で稼いだお金を全て家庭に入れるなんて考えられない。おこづかい制度なんて絶対ありえない!お金も得意な方が管理するべき。でも家事は積極的にする」という熱い主張でした。

家計を考える際の、女性の仕事と育児について

もうひとつ、私が主張した点は、子供ができて産休やキャリアダウンと、自分の収入が減った場合「子供の世話をしてても、自分には一切お金が入ってこない。これでは、節約どころか着る服も無くなってしまう!将来復職しても、稼げるお金が減る。」というもの。よくある悩みですね。

北米では男性が育児休暇を取るマタニティーリーブ(Maternity Leave)ならず、パタニティーリーブ(Paternity Leave)なるものも存在します。「一定期間、女性のみならず男性も育児のために、会社でのポジションを保証され、一定の収入をもらいながら育児休暇が取れる」といった制度になります。

実際、私の周りでこの制度を利用している家庭もありますが、やはりそこまで浸透はしていないようです。

ということで、家計のやりくりを将来的に考えるにおいて、「出産/育児とキャリア」のからみは欠かせない点になります。

夫婦で話し合いの結果、お金の管理について決めたこと

上記の通り、それぞれの価値観や、日本でのしきたりなどを話し合い、色々と感情的になったりもしました。悔しくて泣きながらソファーで一夜を明かしたことが何度あったことでしょう。ここで、今までのお互いの主張を整理してみましょう。

<私>

  • 収入が少なくなった分、貯蓄に回せる額も少ない
  • 将来子育てするときに、自分で使えるお金が一切手元に入ってこない(その時にある貯金を切り崩すのみ)
  • なんとなく、結婚したらお給料は全て家庭に入れて、そこから生活を営むものだと思っていた。
  • 日本に帰ったりするのに旅費がかかる

<夫>

  • お金はきっちりと管理したいし、自分の方が得意
  • 稼いだお金を全て家計に入れるのはありえない
  • お小遣い制度も絶対に反対
  • 家事も対等にできる(…と思っている)

そんな延々と接点が見えない中、夫が提案した、収入をパーセンテージで割り振る方法が、私たち夫婦の行き着いた結論です。話を聞くと周りで同じお金の管理方法を採用している家庭も、ちらほらあるようです。

随分と前置きが長くなりましたが、次にそのシステムが実際にどういったものか、ご紹介します。

パーセンテージで収入を割り振るお金の管理方法

当時、共働きで子供のいなかった、私たち夫婦が決めたルールは、お互いの収入の50%を家庭に入れる。そして、40%を自分のお金にし、残りの10%を相手に渡す、というものです。

このルールの美点その1は、共働きの場合、お互いの50%+50%が家計に回り、100%収入で生活ができること。

ちなみに、カナダでは共同管理の銀行口座(Shared Account)なるものが存在し、夫婦のどちらもお金の出し入れができる口座が簡単に作れます。この口座に、生活費をお給料からパーセンテージ計算した分を振込みます。そして、家賃、光熱費、二人で使う物など雑費や、一緒に出かけた時の飲食代などを払います。

そして、自分一人や友達と食事をする時、自分の携帯代などは、自分の銀行口座から払います。時々、各自がこだわって購入している物など、個人のお財布から出すよう取り決めをし、レジを別々にするのが玉に瑕です。が、それも一度決めて慣れてしまえば、はっきりして気持ちがいい。

共働きの場合、これである程度満足した、気持ちの良い暮らしができるはずです。

美点その2は、お互いの収入に応じて家計に貢献するという、とても民主主義的で明朗な家計だということ。

これは特に、収入の上がり下がりが激しい自営業をしていたり、夫婦間で収入の差が大きい場合など、公平で良い点でしょう。

また、頑張って収入が増えた時など、自分のお財布に入る額も上がるのも、モチベーションアップになりますね。

美点その3は、相手にも自分の収入に応じて、お金を払う点。

これは、上記の育児出産などで収入が減った場合でも、ある程度のお小遣いが入ってくる様に設定した項目です。我が家は、育児休暇後、私が専業主婦になるという選択を夫婦でしました。その際、この10%のお小遣いのおかげで、心身ともにリラックスして毎日を送れています。断捨離をしても、もう貧乏人なオーラは醸し出していないはずです、多分。

夫婦のキャリアに応じた、家計システムの変更

上記の「50:40:10」の明朗会計なお金の管理システムですが、一つ難点は、この数字が共働きを基準に成立していると言うことです。

どちがかが専業主婦(もしくは専業主夫)になったり、失業した場合など、家計に入るお金が片方の収入の50%だけでは難しいのが現状です。よっぽど貯金があってそれを切り崩して生活できたり、収入が億単位であったりと、レアケースでは成立するかもしれませんが、なかなか普通はないですね。

我が家も、家のローンの支払いなども重なり、家族の口座のお金が少なくなってきた頃から「50:40:10」を「60:30:10」などつど微調整してやり過ごしています。

夫婦のお金管理のまとめ

お金の管理については、本当に多種多様だなと思います。それぞれの置かれた環境や考え方で、何が最善な方法なのかは、個別に違ってくるでしょう。

時々他人のおもろい家計を営んでいる方法を聞くと、カルチャーショックを受けたりもします。なかなかプライベートで、普段はあまり他人(時として当のパートナーとも!)話さない事項かもしれません。

でも、大切なことだからこそ、しっかりとお互いの考えを分かち合い、家族で納得のできる管理システムを築いていきたいところです。少しでもご参考になればと思い、書き進んできました。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。