ないものづくし⁈な北アメリカの学校。
日本と北アメリカの学校の違いは、これまでの記事で色々とご紹介してきました。
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北アメリカの学校に子供が通うとき、親が知っておくべきこと5点
違いを整理していく中で、「こんなにも日本の学校にはあって、北アメリカの学校にはないものがあるのか!」っと驚きを隠せません。
今回の焦点は、授業外の様子。
我が子の通う北アメリカ、カナダのトロント市の現地校。
幼稚園から中学校までが一貫になった学校での、授業外の実態についてリポートします。
Table of Contents
北アメリカの学校には、日本のような素敵な給食がない!
日本人なら誰しもが、特別な想いを寄せる学校給食。
毎日変わるメニュー、主食副菜にデザートに、栄養バランスを計算された内容。
季節のイベントに合わせて特別な食事がでたり。至れり尽くせりです。
この日本の常識は、世界でもかなり基準が高い!
カナダの学校では、国や教育機関が出す学校給食は、基本ありません。
給食の代わりのランチプログラム
給食の代わりはというと。
学校が選んだ民間の会社を通して、ランチプログラムが提供される学校もあります。
もしくは、PTAが率先して、ホットミールプログラムを運営している学校も。
ランチプログラムを利用したい子供は、食事が必要な日をあらかじめ伝えておき、当日係の人から受け取ります。
だいたい毎食$5前後かかかります。
こちらは、我が子の通う学校の、今月のランチプログラムの予定。暖かいヘルシーな食事を、と気を配っているようです。
ホットランチプログラム以外にも、ピザランチデーなるものがあります。
出されるのは、スライスピザ。チーズピザとペパロニピザの2種類。
ピザデーに集まったお金の一部は学校への大事な寄付金として使われます。
栄養的にピザだけってどう?って思うけれど、学校の寄付になるし、子供も喜ぶしっと考えると、財布の紐が緩みます。
ランチプログラムの賛否
民間サービスが出す学校の食事。様々な特徴があるプログラムが存在するようですが、あまり良い評判を聞きません。
健康志向でキノアや生野菜ばかり入ってた。
もちろん子供は食べたくないのでランチ抜きになり、お腹をすかせて帰ってくる。なんて話も。
ちなみに我が子の学校では、昨年までは民間のプログラムを採用していました。
茶色の紙袋に入れて支給されるランチ。簡単なサンドイッチや野菜スティックなどが入っています。
やはり、ヘルシーランチの参加率がいまいち。
ということで、今年から、学校でランチスタッフとボランティアの親たちが準備する、ホットランチプログラムに変更されました。
とある日のランチ例。
色彩豊か。全部ワンプレートで配膳するあたりが大雑把なアメリカン風。
シンプルだけど北アメリカの食事にしてはバランスのとれてる感あり。
子供や親も満足で、全校生徒約500人のうち、1回50人くらいの生徒が利用しています。
学校ランチの光景
ランチは基本、学校の体育館やカフェテリアなどに全学年の生徒が集まり、一斉に食事をします。
ランチの30分くらい前に、用務員さんや学校関者が会場設定。
体育館に、折りたたみ式のテーブルを10個くらい島のように並べます。そして、ベンチもセッティング。
時間になると、お弁当バッグを片手にした、子供たちがわーっと入ってきて、好きな席に、好きな友達と座ります。
ランチタイムの始まりです。
ランチの時間は、学校の先生たちはノータッチです。彼らの休憩時間になるようです。
代わりに「Lunch Staff(ランチスタッフ)」という、学校に雇われたランチ専属の監督者が数人現れ、騒ぎ立てる子供たちの面倒をみます。
ランチスタッフは学校に子供が通う親などが働いているケースが多い。
1時間弱、毎日ランチとその後の自由時間、子供のお世話をします。
子供のスケジュールに合わせて、少し仕事をしたい親にとって、ちょうど良い働き口です。
学校のランチ以外の食事は?
ランチ以外にも、1日に2度「Snack Time(おやつの時間)」があります。
学校によっては、全て親が準備しないといけなかったり、逆に学校が全て供給したりとまちまちです。
我が子の学校は、幼稚園の時は学校が全て用意してくれました。
小学校になってからは1回分のおやつを各自持参するかたちです。
こちらはうちの子が今日持っていったスナックの写真。チェリオです。シンプルすぎてすみません。
学校から出されるスナックは、ジャムサンドイッチ、牛乳、フルーツ、クラッカーなど、比較的ヘルシーな食事のようです。
北アメリカの学校は、日本みたいに子供の掃除当番がない!
学校の掃除は、全て掃除担当の用務員さんがこなします。
学校が終わった後、各部屋掃除用具を持って用務員さんが周り、効率的に掃除をしていきます。
ちなみに、子供が病気で吐いてしまった場合などの処理も、用務員さんが出動。
一度、吐いたものをモップで、ガーッと拭き取っている(周りにまき散らかしている?)場面を目撃しました。
モップにつけた洗剤には菌を殺す作用があるのでしょうが、なんか本当に大雑把だなっと度肝を抜かされました。
掃除当番のない子供たち。遊び時間がいっぱいあって嬉しいかもしれません。
が、大人になるまで掃除を知らないで育つ子供も少なくないようです。
日本の学校のように、勉強以外にも生活の基礎になる様々なライフスキルを教えてくれるのは、かなり貴重な体験です。
話は逸れますが、日本の学校の家庭科や高校での技術の時間。北アメリカでは、これも必須ではありません。
いくつかの科目がオプションで選べて、取りたい人が学ぶかたちです。
私のカナダ人の旦那は、家庭科は一切とらなかったとのこと。
裁縫を全くしたことがない!驚きです。
北アメリカでは、子供の塾通いはほとんどなし!
北アメリカでは、日本の塾にあたるものがありません。
一番近いものとしては、公文くらいです。(「KUMON」とローマ字で表記されて呼ばれています。)
なぜ塾がないのでしょう?
答えは、日本の学校制度のように、熾烈な受験がないから。
もちろん、良い学校、お金持ちの通う私立の小中高校も、数多くあります。
アートに特化した人気高校ではオーディションがあるなんて話も聞いたことがあります。
ですが、大学入試では、普通は試験がはありません。
良い大学に進学できるかどうかは、学校での成績、SATの点数(日本のセンター試験のようなもの?)、推薦状、志望動機のエッセーが重んじられます。
なので、日本ので良い大学に入るために、塾に通ってずっと勉強をするよりは、
スポーツやボランティアなどの活動に精を出し、勉強もこなして、周りの評価もがっちり掴んで、という流れになります。
北アメリカでは、塾の代わりに様々な習い事がある
塾がなかったら、放課後子供たちは何をしているのか?
答えは、スポーツや音楽など、習い事をたくさんします。
市が提供するシーズン毎のクラスは、比較的安く、様々な習い事が用意されています。
北アメリカの子供たちの間でメジャーな習い事
私の周りで多くの子供がとっている習い事。
- 水泳
- 音楽(ピアノ、バイオリン、ウクレレなど)
- テニス
- アート
<女の子の場合>
- Gymnastic(体操)
- バレー
- チアリーディングダンス
<男の子の場合>
- ホッキー
- 野球
- サッカー
中には習い事に熱が入り、スポーツ系の習い事では、選抜テストで抜擢されるとエリートチームなるものに入ったり。
目指せ、将来のメジャーリーガー。地方各地に遠征試合に毎週末家族ぐるみで出かけたり。
その費用は数十万から数百万にもなる場合があるとか。
子供のためなら、どこまでも頑張る親たち、北アメリカでは珍しくありません。
全体での集まりや式が、極めて少ない
北アメリカの学校では、基本入学式や学期終わりの終業式がありません。
北アメリカの学校にはない式
- 入学式
- 卒業式(学校によってまちまち。ですが、高校の卒業式は盛大にある。)
- 始業式
- 終業式、修了式
- 朝礼
始業式には、ただダラーっと集まって、さくさくっと授業が始まります。
学年末は、先生にお礼のギフトを渡して、さようならっとあっさり解散です。
月曜の朝にある日本恒例の朝礼もありません!
日本の式は、意味があるのかないのか、は置いておき。効率化を目指すなら、式はなくてもなんの支障はありませんね。
個性であふれた北アメリカの学生たちを一箇所に集めて、静かに話を聞かせる、というのはハッキリ言って無理でしょう。
式はないけどクラス写真はある
日本の始業式や卒業式で撮るクラス写真。
北アメリカでは式がないので、クラス写真はとらないかと思いきや、「School Photo Day(学校の写真デー)」が存在します。
これは毎年行われます。クラスごとに写真を撮ったものは、無料で配布されます。
それ以外に、卒業アルバムの並みにバッチリ撮れた個人写真も、生徒全員分、毎年撮影されます。
ですが、これは有料です。
ロゴ入りの無料サンプルが配られ、この写真を欲しかったら買ってくださいと学校から送られてきます。
マグネット、キーホルダー、ノート、デジタルダウンロードなど、様々なオプションパックもご丁寧に揃っています。
一部は学校への寄付金として還元されるようですが、商業主義がよく現れています。
北アメリカの学校は、プールがあまりない
北アメリカの学校は、校舎によってプールがあったりなかったり。
必然的に、プールのない学校では、プールの授業はありません!各自で責任を持って泳ぎの練習をしてくださいっということですね。
どこに行くにも、ティーンエージャーに近い歳まで、親は同行しないといけない北アメリカ。民間プールにも親が一緒に行かないといけません。
民間プールでは、入り口で子供の年齢や、泳げるレベルことに色分けしたリストバンドをつけられます。
深いところで一人で泳ぐには、ライフガードの前で泳ぎの披露をし、泳げる認定の色バンドをもらいます。
ライフガードのチェックは結構厳しい。
親から少し離れて遊んでいた子供に「親はどこなの?」っと聞いている姿を目にしたことが幾度かあります。
プールはないけどアイススケートはある⁈
さすがカナダの学校。
学校によっては、冬になると校庭にアイスリンクを設置して、アイススケートの授業をする学校もあります。
リンクを設置しない学校は、課外授業として、わざわざ最寄りの公園などに出向いてアイススケートの授業をしたりも。
学校で自分の子供だけが滑れないとかわいそう。
冬になって友達にスケートしようって誘われても出来ないと仲間外れにされるかも。
子供を思う親は、子供をスケートレッスンに入れたりして滑る練習をさせます。
お国柄が出ますね。
まとめ
北アメリカのトロントの学校のないない事情、いかがでしたでしょうか。
様々な施設や教育内容い、日本は恵まれている?
それとも、各自の裁量に任せて、個性を尊重する?
どちらか良し悪しをつけるのは難題ですが、色々な違いがあるのは面白いですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。